皆さんこんにちは、
内海昭徳です。
タイトルに、巷にありがちな冠言葉をつけてしまいました。
今回は、私がご縁のあったハーバード大学の教授の著書の内容と
「とほかみえみため」を少しつなげてみたいと思います。
以前の仕事の関係で、ボストンにあるハーバード大学に
立ち寄ることがしばしばありまして
そこで、「Dignity(尊厳)」という概念を研究している
世界的な第一人者の心理学教授とご縁ができました。
ドナ・ヒックスという女性で、
国際紛争の調停者として世界的に活躍され
アメリカ政界でもファシリテートされているような方です。
彼女の著書『Dignity』の邦訳を提案し
出版エージェントのような役回りをしたかいあって
2月末に幻冬舎から無事に日本語版が出版されています。
本の内容は、シンプルといえばシンプルですし
深く読み込めば本当に深い気づきにつながると思います。
翻って、コロナ問題以降の世界の大変容は、まさしく
「人間の尊厳」
とは何か、という本質的な問いを私たちに突きつけている感がありますね。
ドナ・ヒックス教授の著書では主に人間関係の側面で
「Dignity(尊厳)」という概念を整理していまして、
彼女は、人間の尊厳を構成する10のエレメントがあるとしています。
その中の2つに、次のようなキーコンセプトがあります。
“Inclusion”(仲間に迎え入れる)
“Safety”(安心できる場をつくる)
さて昨今の社会情勢を俯瞰してみると、
緊急事態宣言下の日本では
医療崩壊、感染拡大リスク回避のために
「隔離」や「自粛」、「接触率低減」が進められていますね。
それに伴い、社会経済リスクの深刻化が懸念されています。
これらが人間の心理、メンタル、意識空間に
もたらす無自覚的な作用を考えてみると、
個人と社会の「分断と対立」というリスクが横たわっていると思います。
今、武漢発のコロナウイルスは、人との交流を分断し、
経済崩壊で職を失えば、企業や社会との関係性も分断されてしまいます。
さらに人間は不安やストレス、焦燥で心に余裕がなくなると
寛容さが失われ、批判や非難の心理傾向が強くなりますので
結果的に日本国政府や国家機構への信頼も分断され
寄る辺のない、「分断と対立」の心理リスクを抱えた人々が
社会に漂流せざるを得なくなる恐れがあると思います。
これは、関係性が絶たれることで「Dignity(尊厳)」の
上記の2つの要素が喪失、もしくは毀損された状態と言えるでしょう。
また「分断と対立」は古典的な支配の心理手法にもつながりますが
これを反転させて、「融合と調和」を社会にもたらす必要があります。
では「とほかみプロジェクト」はこの視点から、どんな意味があるでしょうか。
今日は大きく2つお伝えして終わります。
一つは、分断された「個」というネガティブな現象意識から、
深く深く、「とほかみ」とのつながりを本質として生きるあり方を取り戻せること。
もう一つは、「とほかみえみため」を唱える人々の
ネットワーク自体が、
“Inclusion”(仲間に迎え入れる)
“Safety”(安心できる場をつくる)
の働きを実社会にもたらし「人間の尊厳」に資することができることです。
これから順次具体化していく「とほかみプロジェクト」。
8文字の言霊が結ぶ「融合と調和」の世界に向けて、歩みを進めて参りましょう。