皆さんこんにちは、内海昭徳です。
GW中に、ふと「鬼滅の刃」のアニメが見たくなりました。
日本アニメ史上に永遠に残る超・神回だと確信している
第19話「ヒノカミ」を見ていましたら
私の中で「とほかみえみため」が鮮やかに想起されまして
アニメをご存じない方がいるのは承知の上で
(熱烈なファンの方にはご容赦いただきつつ)
少しだけ書いてみることにしました。
この回では、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が
人を喰らう鬼と、壮絶な死闘を繰り広げる様が描かれます。
圧倒的な力量、異次元の強さを誇る鬼との一騎打ちに
刀は折れ、叩きのめされる炭治郎ですが
鬼に奪われ、囚われた
最愛の妹、禰豆子(ねずこ)を
己の命にかえても
「必ず守る。」
という強烈な意志により
鍛え抜き、継承された渾身の剣技で立ち向かいます。
それでも、鬼に刃を浴びせる間合いにも入れず
絶望的な死地に追い込まれるのですが、
その刹那、駆け巡る走馬灯の中で
幼き日の思い出、亡き父の遺志・魂の声と繋がり
それにより炭治郎は、
身体の限界値を超えた神技、「ヒノカミ神楽」を発動させます。
そして、ただ、妹を守り抜きたい
その純真な戦意ひとつに突き動かされ、
折れた刃で、相打ち覚悟で放った、渾身の一閃。
その意志と呼応するかのように、
囚われ気を失っていた禰豆子は
亡き母の魂の声に呼び起こされ、覚醒し、
捨て身の兄を襲う鬼の技を瞬時に焼き払い
響き合った兄妹の意志は、絶望的な戦闘に勝利をもたらすのです。
そこからエンディングに繋がるまでに流れている
挿入歌のタイトルが「竈門炭治郎のうた」です。
とても素晴らしい歌で、作中の物語設定に沿った歌詞なのですが、
改めて聞いてみると、まるで現下のコロナ禍で
多くの大切なものを失い、
絶望に打ちのめされている今の時代の人々に
「泣きたくなるような 優しい音」で
静かに、深く、優しく、強く
語りかけてくれる歌かのように感じられるのです。
丹次郎は、父を病で失い
母と弟は鬼に喰らわれ殺されているのですが、
先述のように、絶体絶命の死の間際に
「炭治郎。呼吸だ。息をととのえ、ヒノカミ様になりきるんだ。」
という亡き父の声を聴き、その死地を跳ね除けていまして
そのシーンを見ていると、
まるで炭治郎は遠津御祖神と五行の神を迎える器となり、
その神々の働きに守られたかのように、私にはみえるのです。
作品の鑑賞の仕方は様々と思いますが、
よろしければぜひご覧になって見てください。
翻って、
「とほかみえみため」という言霊には
どこまでも奥の深い意味や学び、はたらきがありますが
これからもし、私たちが
多くの大切なものを失い、
どんな苦しい状況に置かれたとしても
「とほかみ」に守られ、そのはたらきと共に
前へ、前へと進む力を与えてくれる、
「泣きたくなるような 優しい音」
を持った、そんな言霊なのかもしれない。
そんなことを感じさせてくれた、「ヒノカミ」の物語でした。
よろしければご視聴ください。