無我であること、空であること~刀工 伊藤重光さんに学ぶ~

内容


皆さま、こんにちは。
石原政樹です。

「無我でないと剣は打てない。
作る前は色々シミュレーションしていても、
始めると無我で空になって鉄を打っている。」

今回、御神体「天沼矛(あめのぬぼこ)」を
作り出された伊藤重光さんの言葉です。

伊藤さんは、
「五行をきちんと迎えないと刀は作れない」
ともおっしゃいます。
これは七沢先生の言葉でもあります。

伊藤刀工は、これまでも護り刀をつくったり、七沢先生の依頼で、良質な鉄を求めて3000メートル級のネパールの山に登ったりと、
さまざまな体験をされていますが、隕鉄での製刀の依頼を受けたときは、その困難さがわかる刀工の先輩方に大反対されたそうです。

しかし精進によって、隕鉄を見事に鍛え上げ、刀にすることができるようになり、稀勢の里の太刀もお作りになりました。

その経験を持ってしても、今回は依頼された段階で
「これを作るのは無理だ」と思ったそうです。

この天沼矛は、

刃渡りは137cm(=微細構造定数)。

剣全長195cm。

重さは本身、つまり剣のみで7kg

柄と拵を入れれば11kg。

通常の剣は全長平均95cm、2kg未満ですので、天沼矛の巨大さがわかっていただけると思います。

そして100%隕鉄の御神体。

小さめの隕鉄の剣でさえ、各成分の融点の違いによって作製が困難なのに、天沼矛の依頼を受けた当初は、その大きさのため全容が掴めず、いったいどのくらいの隕鉄が必要か見当もつかなかったとか。

ところが、やると決意して製作を開始したら、最高品質の隕鉄が手に入ったり、依頼していたわけでもないのに炭焼き職人の原伸介さんから、絶妙なタイミングで2種類の炭を受け取ることができたり、製作の後押し現象が途切れることなく続いたのです。

あまりの重量に刀身の支えが折れたり、その長さのため既製の炉が使えなかったり、火入れの際には豪雨に見舞われるなど、幾多の困難に遭いながらも、最初に宣言した日時に天沼矛はできあがったのでした。

その剣は、刀身に墨を塗って「押形」を取ろうとしても振動して取れないという、高いエネルギーに満たされた、まさに「神器」となりました。

伊藤刀工がおっしゃる、
「無我であること、空であること」で「自己の思考を超えたはたらき」が生じ「自ずと成就する」という事実は、私たちに多くの示唆を与えてくれます。
今、「とほかみえみため」を実践している私たちも「無我であること、空であること」により「自ずと成就する」ことができるのです。

これはそのまま白川伯家神道の「器教(ききょう)」にも通じる話です。
虚心に自分を祓い清めて透明な器ができれば、そこに神を迎えることができ、
最も良い形で具体化するための「はたらき」が起きることになります。

われわれも「とほかみえみため」を唱え「澄み切る」ことで器をつくることができます。その器に、個性に適した職場や適切な収入、理想的なパートナーなど、必要なものを迎えることができるのです。

伊藤重光さんは、刀工の世界に入った時、「炭切り三年」と言われ、ひたすら炭を切り続けたそうですが、それによって「澄み切った」のでしょう。これも祓いですね。

私たちも日々「とほかみえみため」による祓い・鎮魂を実践し、仕事や家庭生活の中で澄み切ることを意識したいですね。

ABOUT US

禅僧の祖父の影響で、子どもの頃から禅や各種瞑想に親しむ。20代後半、10時間を超える瞑想中にエネルギーが覚醒、一切の存在と融合するという神秘体験をする。
その後、少林拳、少林武術、太極拳、古武術、レイキ、気功、気導術、ヴィパッサナー、肥田式強健術、等を学ぶ。崇山少林寺では14代館長釈永信管長より、動功の免許を拝受。
現在はneten株式会社顧問・白川伯家神道を継承する一般社団法人白川学館理事を勤める。
祓い・鎮魂・言霊・netenテクノロジーこそが時代のあらゆる局面を解決できる鍵であることを実感、その普及に尽力している

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